『恋の渦』の記憶

國武綾
(『恋の渦』出演サトミ役)

こんにちは。サトミ役をやらせて頂きました國武綾と申します。
上映中作品の反響を日々いただいており、とても嬉しいです。
オーディトリウム渋谷へご来場くださっています皆様、ありがとうございます。
これから!という皆様、劇場でお会いできることを楽しみにしております。

私は映画に出演するのが初めてで、撮影現場も初参加だったのですが、『恋の渦』について少し。
このblogで数名の方が明かしている通り、確かに過酷な日々だったように思います。
シネマ☆インパクトのチラシに記載されてある大根仁監督のコメントには
“「現場は地獄になる。だが地獄からしか作品は生まれない。」久々にこの言葉を思い出しました。” とあります。
だからでしょうか。本当に記憶がほとんどありません。

あるとしたら、ケバブ
ケバブを食べたことは覚えています。

1回目のケバブは、撮影に向けて連日お稽古をしている時でした。
「午前の稽古」と「午後の稽古」の間に「休憩を潰しての稽古」というのがあった時だとおもいます。
『予想した以上におなかが減っている…おにぎり持って来ておけば良かった…しかし…今は移動時間、コンビニなんていけない…でも何か食べなきゃもう集中力を保つ自信が……』 その時でした。
路上に止まっていたケバブ販売車に救われました。
一緒に駆け込んでくださったのは、トモコ役の若井尚子さんだったかと思います。
ケバブは4つ串にささっていて、500円でした。

2回目のケバブは、撮影現場でハーサルをする日の朝でした。
集合場所にかなり早く着いたので、周辺を散歩していました。
とあるお店を除くと、店員さん1人と、トルコ感満載のお客がひとり。
コウジ役の新倉健太さんでした。

撮影に向けて、頭がパーマで変な髪の色なうえ肌の色もかなり黒く、なんか衣装もやばかったのですが、ケバブがよく似合っていました。ごちそうさまでした。


ケバブ以外の食べ物の記憶が1つだけ。

撮影初日。早朝からメンバー勢ぞろい。
『こ、これをクランクインというのか…?はじめましての方がたくさん居るなぁ…映画ってこういうカメラの位置で撮影するのか…!』
そんな私の心境はさておき、どんどんどんどん
物凄い勢いで撮影がすすめられました。
気がつくと、数時間ぶっ通しで撮影していて。お昼時もきっと、とっくに過ぎていて。

「OK!」「休憩とります!」その直後にすかさず続いた「ハヤメシで!」というスタッフの一声で、全員その場に座り込んでお弁当を食べました。
カメラマンさんも音響さんも美術さんも。キャストもどのスタッフも監督も。
みんなで同じお弁当を食べました。

もちろん、食べる時間を惜しんで、動きっぱなしだった方がいたことも、覚えております。
本当にいい現場でした。

公開はまだまだ続いています。見逃さないで頂けたら嬉しいです。
大根仁監督作品『恋の渦』 どうぞよろしくお願いいたします!