『集まった人たち』公開直前☆いまおかしんじ監督インタビュー!

いまおかしんじ監督クラス受講生による、いまおかしんじ監督インタビュー。
ワークショップから撮影までのエピソードを紹介していますよ☆
(聞き手 演技コース:松竹史桜 制作コース:甘利類、岡崎雅)
 
 
 
—ワークショップ初日の衝撃。
 
岡崎) ワークショップ一日目に、「んーどうしよっか」ってところから始まったじゃないですか。今までで少なからず何人かの監督方のインパクトの授業を受けてきて、その入り方に衝撃を受けました。これがいまおかしんじ監督なのか!みたいな。
 
いまおかしんじ監督、以下いまおか)まあ、みんな初めて会う人たちでしょ。何をするかもまだ、わからない状態でワークショップに来てる。だから、こっちも何するかわかんない位置に一緒にいた方がいいかなあと思って。
 
岡崎)全部ゼロからのスタートにしてみようと?
 
いまおか)うん。俺偉い人です、君らになんか教えますみたいな形じゃなくて。あの・・・みんな馬鹿みたいな(笑)
 
松竹) ワークショップが始まって数日間、制作コース演技コース関係なく脚本を書いてみて、演技コースがそれを選んでエチュード風に演技をするという授業をしていました。演技コースなのに脚本を書くなんて、びっくりしましたし、難しかったです。脚本を書くっていうのは裏方の仕事って勝手に思ってたりもしましたし。
 
いまおか)前に、シナリオ講座みたいものをやったことがあって。書いたりすると、けっこうその人のキャラクターが出ることがわかっていたんだよね。みんなに書いてもらって、それから演技を見てみる、っていう形をとって最初の一週間は演技コースのみんなのキャラクターを見てたよ。松竹難しかった?・・・でもなんか、その時間だけでも焦ったりとか困ったりしたほうがいいんじゃない?一日中じゃなくても、授業の間だけ。
 
岡崎)エチュードの演技から、『集まった人たち』の脚本にそのままスライドしてきたペアもいました。エチュードから脚本にどうやって移行していったのですか。
 
いまおか)この映画では、全員出す・・・出たほうがいいんじゃないかってある時期に思ったんだよね。シーンとシーンがチェーンみたいに繋がって、誰かと会ったらまた違う誰かと会って最後には最初の人と戻ってくるっていうのは構成としては早い段階で思いついてて。俺あてがきとかはしたことなかったんだけど、人物に関しては今回はあてがきっぽくしてみた。役名と本名おんなじにしてやってみたり。
 
 
—撮影準備に溢れるアノ言葉!
 
岡崎)芝居場の候補として監督が考えやすいようにって、美容院とか喫茶店とか、一生懸命探した記憶があります。
 
いまおか)そうそう・・・その、あと組み合わせとかはけっこう悩んだけどね。どれとどれがいいんだろうみたいな。でもなんか最初の組み合わせに戻っていったりしたけどね。
 
岡崎)あぁ、なるほど。あ、じゃあワークショップの最初に役者同士でやった「ねるとん」はけっこう効いてる感じですか。初対面で、本当に気になる人を選んでみて、っていう。『集まった人たち』の脚本のエピソードの中にもありましたけど、佐藤文吾が松竹を選んでいたのとかも生かされたってことですかね。
 
いまおか)それは・・・(笑)。 なんかやっぱり最初のフィーリングとか縁とかってあるのかなあって思って。
 
松竹)あ。でも私けっこう聞いてるの辛かったです。
 
いまおか)なんで?笑
 
岡崎)あぁ。内容も内容で、松竹って本名で言われちゃってるしね(笑)。
 
いまおか)そりゃそうだね。リアルすぎるか(笑)。
 
甘利)そういえば、セリフの読み合わせ中に卑猥な言葉とか出るたび、「松竹これオッケー?」って聞いていましたよね。
 
岡崎)あのワークショップ期間中、撮影準備中でも、リハーサルでも「セックス」という言葉に溢れていましたね。感覚がおかしくなって、よそでもセックスって言いそうになるっていう(笑)。
 
いまおか)あぁ、それはやばいね(笑)。
 
甘利)美術を担当したの碓田さんが劇中で使うセックスっていう文字が一面に大きく書かれた横断幕を作った時、「あぁこれはいいセックスですねえ」って言っていたのを思い出しました(笑)。
 
松竹)私、初めてあの場でセックスっていう言葉を口にしましたよ。高校生になって、山下監督・松江監督・熊切監督と、インパクトを受講して、いまおか監督にきての、セックスっていう言葉に慣れてしまうっていう。ものすごい一年でした。
 
 
—「セックスがしたいけど、できない人たち」
 
松竹)これ・・・あの、みんな気になってると思うんですけど、カットをかけるときの「うーカット!」っていうの、すごく好きでした!
 
岡崎)すごくパワーを感じるカットのかけ方で。あ、これオッケーテイクだ! ってわかる感じなんですよ。力の入りようというか。みんなで現場を見てて、あぁ!次じゃない?って通じ合っていました。
 
いまおか)(笑)。俺、あんま怒鳴ったりとかしないじゃない。だから、なんかメリハリつけたほうがいいんじゃないかって。「バカヤロー!」とか言わないからさ。
 
甘利)意識してやっているんですか?
 
いまおか)いや、あんまり意識してない。癖なんだけどさ。
 
岡崎)いい癖ですね
 
松竹)横目でちょっと視界にはいって見れるときは本当ににもう、嬉しかったです!みんな言ってます。あれ見たいよねって現場では話題で(笑)。
 
いまおか)あ、ほんと(笑)。卓球の福原愛ちゃんの・・・「シャー!」みたいな。ああいうことだよ。
 
岡崎)気合い・・・のような?
 
いまおか)うん・・・シャー!ってやりたいじゃん(笑)。
 
 
甘利)いまおかさんが逆に、役者を代表して松竹さんに聞きたいことあれば。
いまおか)役に立った?(笑)
 
松竹)え!それはもう!まだ、これからも役者をやろうと思っているわけではないので、今後の演技のために役立ったとかではないんです。今後生きていくのに役立つと思います。あの場にいて、あの二週間の授業を受けられたっていうことは・・・これで免疫つきましたよ、いろいろと。
 
いまおか)おぉ。
 
岡崎)どういう免疫?
 
松竹)人生ですかね。特に今回、セックスがテーマで。現場に警察が来ちゃったりって、世間一般的にはよろしくないというか・・・。人間の込み入ったところですよね。そこをテーマにしていく、オープンにしていく、そういう二週間と撮影は本当に・・・。
 
岡崎)人生の糧になった?
 
松竹)はい。あ、単純な話ではありますけど、ピンク映画も普通に見れるようになりました。
 
 
岡崎) 今回の『集まった人たち』は「セックスがしたいけど、できない人たち」というテーマでした。
 
いまおか) 作品として取り扱うもので得意・不得意を考えたときに、金持ちより貧乏、ヒーローよりルーザーな方が得意なのよ。全員貧乏人でもいいし、メインロードから落ちちゃってる人たちを拾い集めてさ。馬鹿にするでもいいし、イジくりたいと思って。まぁ、今回はセックス絡みがいいなと思ったんだよね。
ずっとピンク映画をやっていて、それって一体何かっていうと、セックスを肯定することなんだよね。世の中的にはセックス自体が恥ずべきものだ、みたいな風潮があるなかで、いやいやそんなことないよ、セックスは素晴らしいものですよっておずおずと映画を作るのがピンク映画作り。そんな作業をずっとやってきていて、今回、セックスは素晴らしいけど、なかなか手に入らないものだったり、素晴らしいのはほんの一瞬だったりするよね、ということをテーマにしてみた。そこのところをいろんな人に共感してもらえれば、と思ってるよ。
 
ピンク映画の世界観の裏側をいまおかしんじ監督が描いたという『集まった人たち』。
チェーンのように連なったシーン。限られたシーンの中で見せる出演者たちの関係性。「セックスがしたいけど、うああああ、なかなかできない!」人間の中に誰しもある二面性も描かれています。新宿の街中で「セックス!」と叫ぶシーンにも注目ですよ・・・!
 
4月3日(水)19:00〜Bプログラム『集まった人たち』初日舞台挨拶があります。
よろしくお願いいたします!!!
上映スケジュール詳細はオーディトリウム渋谷HPへ
http://a-shibuya.jp/archives/5405

第3弾初日大盛況!

3月30日(土)【シネマインパクト第3弾】大盛況の初日を迎えました!


大根組『恋の渦』舞台挨拶。出演者が映画の衣装で勢揃い!


カオリ役の柴田千紘さん(左)、トモコ役の若井尚子さん(中)、コウジ役の新倉健太さん(右)



山本組『水の声を聞く-プロローグ-』舞台挨拶。


三樹夫役の鎌滝秋浩さんと山本政志監督



大盛況で混み合うロビー


まだまだ上映は続きます!
4月19日までの3週間、皆様のご来場を心よりお待ちしております!!


オーディトリウム渋谷
http://a-shibuya.jp/archives/5405

シネマ☆インパク
http://www.cinemaimpact.net/vol3/index.html

シネマインパクトの1年

高木悠衣
(『止まない晴れ』『恋の渦』制作スタッフ、『海辺の町で』『水の声を聞く-プロローグ-』出演)


高木悠衣です。
おそらくシネマ☆インパクトに長く関わったほうだと思われます。
そんな私がブログを書かせてもらいます。

今回の第三弾では、
廣木隆一監督『海辺の町で』
山本政志監督『水の声を聞く -プロローグ-』に出演

熊切和嘉監督『止まらない晴れ』
いまおかしんじ監督『集まった人たち』
大根仁監督『恋の渦』
では制作、制作応援として参加しました。


私はシネマ☆インパクト第一弾から、参加しています。
2012年はシネマ☆インパクトで始まり、シネマ☆インパクトで終わりました。

初めていった映画館で運命的にチラシを見つけ、「映画に出演したい」という思いだけで必死に毎日通いいました。

第一弾は、みんなが手探りで、それゆえにクラスを超えて、とても団結力があった気がします。
大森監督、瀬々監督作品に出演して、カメラの前で表現する楽しさと辛さを知りました。私の中で本当に大きな転機になりました。ここにいたいと思いました。

他のクラスも、お願いして見学という形で通わせてもらいました。

シネマ☆インパクトの空間は、今まで知らなかったことが、たくさん知れました。
求めればなんでも経験できる空間でした。普段なら会えないような人たちにも会えました。私にとってはとてもとても刺激的な場所でした。

偶然声をかけてもらい、山本政志監督『アルクニ物語』に制作スタッフで参加しました。

それも私の今後の生き方に大きなきっかけを与えてくれました。
映画が作られる過程や映画とはなんぞや?ということ、とりあえず何も知らない中、一生懸命でした。
私よりも年下の制作スタッフに必死についていき、監督には怒られ…
辛かったけど、やりきったあとの達成感と満足感は中毒になりました。
作品を見たときの気持ちは出演した時より遥かに嬉しかったです。


第二弾は、とても人があふれていて、それだけで毎日辛かったです…
加えて、とても苦い経験をたくさんしました。
自分よりはるかに経験があり、魅力的な人がたくさんいました。
わかってはいるけど、悔しいし、苦しい毎日でした。
でも、いろんな人に出会えたことは、とてもとても財産になりました。
新たな視点や思考を与えてもらいました。
新宿でのゲリラ撮影はヒヤヒヤしました。あんな経験はやろうと思ってもできないです。
山下監督の撮影の時に、新宿で踊ったとき、「カット。OK」の声を聞いて、初めて飛んで跳ねて喜びました。
楽しかった。

そして、第三弾。
まずは熊切監督クラス。
今回は望んで、制作として入りました。
もっともっと深く映画制作のことを知りたかったから。

準備期間中のこと。こんな私に、カメラをまわす機会をくれました。
初めは何を撮ればいいのかわからず、力が入りっぱなしでした。
でも撮りたいものを撮るようにすると、演じている人の気持ちの変化に気づけ、またこの人のここが見たい、と身体が勝手に動くようになりました。
なんだか、今まで表現する側だった時に言われていたことが、少しわかって気がしました。
撮影準備は毎日ヒーヒー言いながらやりました。

知らないことを必死にこなしていたせいか、寝不足と疲労のせいかひどい顔だったのでしょう。現場では監督に「怒ってる?」といわれていました。
もっと余裕のある人間になろうと思います。
でも、この現場を経験して今後の進み方として、新たな視野が持てました。
熊切監督の愛猫も撮影に来てくれました。
癒されましたが、怯えまくっていて、「猫さん待ち」がありました。
その時の監督がとても可愛らしく、というか監督は終始現場のムードメーカーでした。
ストーリーはとても切ないものですが、現場はとても監督愛に包まれておりました。
それゆえに辛くても頑張れました。

きっと監督の温かさが映像にも出ていると思います。
作品を観た後は、誰か大切な人に逢いたくなるんじゃないかと思います。

廣木監督は部屋に入って来てから、なんとも言えない空気をかもし出していました。
怖いのかな…と思ったりもしましたが、とても人をみている方でした。
言葉は多くないけど、1人1人をじっくり見てくれました。
それは作品にも生きてるんだろうなと思います。

私の役は途中で加えてくれました。
なので、福島に着くまで本当に何も知らないままでした。
「そこにいる」ということは簡単だけど難しい。力があれば、できるんでしょうが、廣木監督はあえてほぼ何も知らせずに撮影に向かったのだと思ったし、監督もおっしゃってました。
だから、「そこにいる」すなわち、その空間や相手の表情、言葉などを感じたまま、しゃべる、動く、反応している皆が映っているんじゃないかと思います。
廣木監督は「何もするな」とよくいってらっしゃいました。その演出を受けて見たくて、今回参加しました。
「何もしない」今後も忘れずにいたい言葉です。
福島の今が、少しでも映っていると思います。言葉にできないけど、感じるものがたくさんありました。
その空気をぜひ感じて、考えて欲しい作品です。


大根仁監督クラスは初め、演技コースで参加しました。

シナリオがある題材に、当てはまるのは難しいなぁ、と始まる前から感じていました。
結果は、案の定でしたが、なんだかそれだけで終わるのが悔しくて、
何かを得たくて、制作応援で入りました。

とてもとても自分にもスタッフにもストイックで、作りたいものに対して一直線な監督で、
素人の私は、たくさんご迷惑もおかけしたと思います。
作品を作るにあたって、当たり前のことができないことに、頭も体もいっぱいいっぱいになりました。
本当に逃げ出したい、と思ったこともありました。
とても厳しい現場でしたが、その分教えてもらえることが多かったです。
無言で、行動でやるべきことや、やり方を教えてくださる監督でした。
大根監督の姿を観ていると、必死ながらも「おもしろくなるな、この作品」という気がしてならなかったです。
そのおもしろさは、劇場で確認してください。


いまおか監督作品は、撮影日だけお邪魔しました。

いまおか監督とは、第一段「アルクニ物語」で、初めてお会いしました。
待ち時間、撮影、喫煙所・・・・
いろんな姿を見せてくださる方で、一気にファンになりました。

そんないまおか監督。どんな撮影をされるのだろうと…
現場でのリハの時間はとても長かったです。何度も何度もリハを繰り返し、
一番面白いものを探していました。
「いい!!!」と思った時のいまおか監督は、カット前にガッツポーズをしています。
それを観ると、なんだか嬉しくなりました。
新宿での「セックスしたい」の叫びは、ある意味気持ちよく観れました。
うらやましいぐらい・・・。
劇場で一緒に叫んでみてください。


山本監督の現場に1度はカメラの前に立つ人間として行きたかったので、念願叶いました。

普段はとてもアグレッシブな山本監督ですが、演出や作品への向き合い方はとても繊細で、頭のいい方だなと思っていました。
「長編を撮る」と聞いたときは、とても驚きましたが、同時にウキウキしました。
どんな作品になっていくのか、私もまだ知りませんが、そのプロローグが今回上映されます。
シネマ☆インパクトでの、山本監督作品は3本目ですが、また違った雰囲気です。
バイオレンスなところもありながら、繊細さがとても出ている作品だなと思いました。
長編上映前に、ぜひ山本ワールドに浸っていただきたいと思います。


長々と書いてしまいました。
シネマ☆インパクトに関わったことで、映画の自由さと、楽しさ、辛さ、それ以外もたくさん知れました。
とても今後の生き方に影響を与えてもらいました。

観た方にも、何か受け取ってもらえるのではないかと思います。
息詰まることが多いけど、私はこの作品達に関われて、生きてる実感が湧きました。

そんな作品達を、ぜひたくさんの人に観てもらいたいです。

シネマ★インパクト2013、いよいよ始動!!

いよいよ、4月1日からシネマ★インパクト2013が始動します。
今期もすばらしい講師の皆さんが参加されます。
本日は、自主制作映画に馴染みが薄い方のために
自主制作映画界で最も注目されている監督、平波亘監督のご紹介を
こちらでさせて頂きます。

平波亘
1978年生まれ。数々の作品が国内・外で上映される気鋭の若手監督。
映画製作のほかに百々和宏「ながいおわかれ」他3曲の連作MV(2012/日本コロムビア)、
倉内太「倉庫内作業員の恋」(2012/DECKREC)などのミュージックビデオの制作や
若手映画監督作品の上映企画「映画太郎」の主宰などで活動。
待機作としてMOOSIC LAB2013参加作品『トムソーヤーとハックルベリーフィンは死んだ』。

・主な作品

『労働者階級の悪役』(2012/HD/50min)
MOOSIC LAB 2012上映(名古屋&松本でグランプリ受賞)

『アイネクライネ・ナハトムジーク』 (2011/HD/73min)
第12回 TAMA NEW WAVEコンペティション部門入選
第1回 映画太郎で上映

『青すぎたギルティー』(2010/HD/82min)
ニッポンコネクション2011NIPPON VISION部門 招待上映
田辺弁慶映画祭2011審査員賞受賞
MOOSIC LAB 2011 招待上映(東京・名古屋・広島・京都・札幌)
第11回 TAMA NEW WAVEある視点部門 上映
日中独立映画上映会2012 上映
第0回 映画太郎 上映

『Schrzo/スケルツォ』(2009/DV/75min)
第30回ぴあフィルムフェスティバルPFFアワード 入選
東日本大震災復興支援イベントLUMIERE 上映

■平波監督クラスへ、平波監督と縁りある映画関係者の方々からコメントを頂きました。

山下敦弘監督(『苦役列車』『マイ・バック・ページ』/シネマ★インパクト2012山下クラス作品助監督を平波監督が担当)
「低予算で作品を作り続けてる平波くんだからこそシネマインパクトでは大暴れして欲しい!シネマインパクト史上一番の問題作を勝手につくっちゃえば?」

森下くるみさん(文筆家・女優/平波監督作品「ながいおわかれ」ご出演)
「映画が好きで表現にも興味がある、でもプレッシャーがあるッス俺、私……という人、俳優を続けるか迷っている人、「演ずるのは楽しい」と素直に実感したい人、平波監督の現場に立ってみてはどうでしょうか。カメラの、温かな、柔らかな目線。ガチガチになった肩の力が一気にぬけます。

三宅唱監督(『Playback』/平波監督作品『労働者階級の悪役』に俳優としてご出演)
「平波監督はナチュラル・ボーン・本気な男として有名だ。
本気をキープすることに無理がないし、周りにも本気を感染させてくれる。俳優を志していざ本気になったものの空回りな毎日にちょっと疲れてきた方は、平波監督と出会い、自然体の本気を身につけてほしいと思います。」

■平波監督コメント
いま日本では、毎月、毎週、どこかしらでインディーズ映画を対象としたコンペティションの映画祭が開催されています。監督の自主製作による映画が、劇場で上映されることも増えてきています。監督志望や、俳優志望の若者が集う学校やワークショップも年々拡がりを見せ、サークル、コミュニティー、ネットワーク、様々な交流が盛んとなっています。そう、今インディーズ映画はとても活況の様相を呈しているのです。

僕自身、地方での映画祭や映画製作に携わったこともあるし、自分が製作した映画を何度か劇場で上映していただいたこともあります。映画学校で学び、その後ワークショップなどを通じて沢山の同業者や俳優と出逢いました。全てが大切で大事な一歩一歩の積み重ねだと思っています。

だからこそ言いたいのは、インディーズ映画はいま決して活況を呈しているわけではなく、みんな死に物狂いのギリギリのラインで、自分たちのやるべきことをやっているだけだということです。

東京で話題になったインディーズ映画も、地方の映画館や映画祭に人は集まらない。学校やワークショップの増加は飽和状態を生み、意義も意識も拡散されたまま放置され、いつしかワークショップというものに対して後ろめたさすら感じる風潮も生まれてしまった。

自分のことを言えば、この1年で5〜6本の作品を創る機会に恵まれたけど、必ずしも自分の精神、肉体は勿論、経済的にも全く負担のない作り方は不可能なものばかりでした。
そんな状況でも、自分が映画を撮り続けられたのは、現状に対する反骨精神以上に、出逢ったスタッフやキャスト、サポートしてくれる人達の映画への熱い思いを知ってしまったからというのが、一番の理由であります。どの作品も、自分が撮るべきものとして、一心不乱に制作してきました。

だからこそ今回、自分の身分をわきまえつつも、シネマ★インパクトの講師を引き受けたのは、ワークショップだけにとどまらない、自分にも俳優にも意義のある映画創りへ繋げられる最高の機会だと思えたからです。

芝居することへの飢え、映画を創ることの飢え、そして生きることへの飢え、さながら映像における表現者にとっては地獄とも言い換えられる現在の映画界で、自分も含めた餓鬼達と、問題提起を超えた、まさに暴動レベルの映画制作を実現できることに今とても興奮しています。今回の期間中に作品の制作は困難なので、後日、自主的なリハーサルなどを経て、最短で夏には作品制作を行う予定です。

言いたい奴等には言わせておけばいい。もうとっくに誰もが我慢の限界を過ぎているはずです。共に現状を壊し、新しい映画を創りましょう。宜しくお願いします。
平波亘

■カリキュラム

4/8(月)自己紹介、エチュード、台本配布(事前配布の可能性もあり)
4/9(火)台本
4/10(水)台本
4/11(木)台本
4/12(金)オーディション撮影

【日時・場所】

4/8(月) 18:30〜21:30  新宿文化センター4F 第2会議室
4/9(火) 18:30〜21:30  戸塚地域センター B1F 集会室1
4/10(水) 18:30〜21:30  新宿文化センター4F 第2会議室
4/11(木) 18:30〜21:30  新宿文化センター4F 第2会議室
4/12(金) 18:30〜21:30  新宿文化センター4F 第2会議室

平波監督は、2012年シネマインパクトで山下監督クラスの助監督を務め
山下クラスに参加した受講生の佐々木裕文(山下クラス制作コース受講)を
最新作の助監督に抜擢するなど、「出会い」を非常に大切にする監督です。

ぜひ平波監督と出会い、映画に出演する楽しさを発見してみて下さい。

寝ても覚めても恋の渦

新倉健太(『恋の渦』出演コウジ役)

 『恋の渦』コウジ役をやらせていただきました新倉健太です。
僕は大根組を受けるにあたって"やるからには絶対この手で役を掴み取ってやる"と躍起になっていました。
それは立て続けにオーディションに落ち、歯痒さと悔しさでもがき苦しんでいたからです。そんな時、僕に手を差しのべてくれたのがシネマインパクトでした。
 受講開始の一ヶ月前にはもう既にオーディションは始まっていると自分を奮い立たせ、『恋の渦』を題材にすると分かったその日にAmazonで台本を購入しました。
 数日後、家に届いた本は『恋の渦』ではなく『愛の渦』という乱交パーティーの話だったことはさて置き、オーディション3日目に配役が決定してからというもの、キャストのみんなで関係性を築く為に時間の無い中飲みに行ったり、リハーサルや稽古の合間を縫って男性陣で原宿デートしたり、キャスト全員でLINEのグループチャットをしたり、最後の最後まで役柄として考え、感じ、そしてキャストのみんなとより多くの時をシェアする事だけに全てを捧げて来ました。
 キャスト、スタッフ関係者全員で我武者羅にここまで突っ走って来れたのはきっと大根監督の作品に対する情熱や"とにかく良い作品を作りたい"という強い思いが僕を含めみんなに伝染していったからなんだと思います。

この作品を通してひとりでも多くの人にその思いが届きますように。


ロケハン

清水ゆう
(『恋の渦』制作スタッフ)


監督が何を見ていて何を思っていたか
想像しても少しもそこには至らないけど
監督に会ってからずっと
そればかり考えているように思う
言葉が多くないから
すこしの言葉からたくさんを拾おうと思った

同じ時間を過ごすことがものをいうことを信じて
ロケハンで一緒に歩いた
本当にたくさん歩かせた
軽い登山くらいだとおっしゃっていた
一緒に電車に乗った
隣の席に座って資料を横からのぞいた
何を手に取るか見ていた
リュックについていたバッチが好きなミュージシャンのものだった
関係ない話を少しだけした

役柄のファッションについても既に詳しかった
その分野の雑誌も知っていたし
どんなところにそういう人たちがいてそういう服が売っているのかとか
街にいる人やショーウィンドウを通りすぎながら今年はこの色がきてるとか
身近に資料があるのを見逃していることに
監督のアンテナにはっとした

どしゃぶりで靴の中までびしょびしょになった帰り道
駅までタクシーに乗せてくれた
なにもわからないできないわたしをみかねて
資料になる写真の撮り方を教えてくれた

制作スタッフとかいいながら
監督の仕事を増やしてばかりだったな

あの期間監督が思っていたことは
『恋の渦』を映画化する
だと思う

ロケ候補地に着いた時
いろんな方向からいろんなものをじっと見て
やっぱりだまって考えていた
しーんとしていたあの時間にどれくらいのことを考えていたんだろう
その答えが全て作品で見られると思う

映画『恋の渦』が出来上がった
これを作っていた時の監督に会いに、見にきてください。

怒涛のいまおかワールド!

竹原伸彦
いまおかしんじ『集まった人たち』、大根仁『恋の渦』、山本政志『水の声を聞く-プロローグ-』制作スタッフ)


僕は、第3期シネマインパクいまおかしんじ監督クラスに参加しました。
他の監督さんたちはぼんやりながらアウトラインを考えて来ているのでしょうか?
いまおかさんは全くの白紙から始まりました。
エチュードって何やるの?」
「全員でシナリオ書いてみるか」
ワークショップ前半はそのような感じで、僕らが役者さんたちと話しながら演出をつけたり、と貴重な時間を過ごしました。その間もいまおかさんは静観しつつ、ご自分の中学生の頃のエピソードを話して下さったりと、折り返した頃に上がってきたシナリオは、そんなエピソードや受講生の考えた設定の生かされたものでした。

そこからいまおかさんの演出家の顔が徐々に顔を見せ始め、現場ではバリバリの演出家いまおかしんじに。
シナリオ完成後の演技練習では全く無かった要素など、がんがん振り幅をつけながら目的地に向かって行く。
そんな印象を持ちました。そして独特のガッツポーズからの「オッケー!」。
現場はいまおか色に染まり、役者さんの芝居を見るいまおかさんの眼は狂気を宿してるかのようでした。

最終日の、全員出演の新宿西口歩道橋のシーンは撮影の山場でした。助監督の指示の元、グループに分かれ、GOサインで役者さんたちが一斉にシャウトしながら歩道橋中心部へ。
遠巻きに見守っているだけでしたが、あの瞬間は僕もアドレナリンが出ました。
その後警察が来て、そのシーンは公園で撮影しましたが、負けじと興奮のシーンになっています!
(たまたま近くにいて、僕が警察に対応しましたが、ハロウィンのパーティーだなどと口走ってしまい、しどろもどろに。きっちり免許証とバイト先の従業員証を見せました。)

なんだかんだと怒濤の様に撮影は終わりましたが、いまおかワールドの渦中にいて、本当に貴重な経験、勉強ができました。ゼロから立ち上がって、こんな映画ができる事に感動です。
皆様、そんないまおかさんの『集まった人たち』を見届けに是非劇場に来て下さい!!